「中国視察報告 商売上手」 2005年5月号
中国ってやっぱり「いやだな・・」と思うほどの活気だ。どうしてこんなにがんばっちゃうの!?やめてよ!日本が負けちゃうじゃないの!といった感じ。
とにかく食べるものがすごいのです。テーブルいっぱいわ~っと皿が、それも目いっぱい盛り上げた皿が並ぶのだが、まずその光景に圧倒される。一流レストランの金持ち階級などと言う話ではない。ごく普通の、一般の人々のレストランや食堂の光景だ。
なぜなら私たちは、ありとあらゆる種類のレストラン(食堂も含む)を見てきた。今回は「食の安全と文化」がテーマの一つだから。
そしてまた、中国人たちの、その話し声の大きさが桁違いだ。レストラン全体がご~っという感じに話し声が響き渡る。「悩みなんか食べてふっ飛ばしちまうんだよ!!」といった雰囲気で、べちゃべちゃしゃべりまくり、ばくばく食べまくる。
私たちも勢い、雰囲気で食べてしまう。ここでは遠慮とかエチケットとかがなくなってしまうから不思議だ。たらふく食べて、がぶがぶ飲んで、それでもまだレストランを出てからラーメン食べに行ったりする。
何でこんなに入るんだろうといいながら、安いから惜しげなく食べてみてしまうらしい。食べてみるとうまいから、ぺろぺろ入ってしまう。おかげで皆、太った太ったと下腹をたたいていた。たった1週間の間に、ズボンがぱちぱちになったとか、ベルトの穴がどうのこうのとか・・。人間って簡単に太るものらしい。
だけどその割には中国人がスリムではないか!これはどうしたことだ?というと、そこで登場するのがお茶の話である。うまくできていて、プアール茶の視察に言ったら、30年前の、がんがんに硬い、直径30センチくらいのお茶の塊が出てきた。
金槌で氷を割るように少しづつ砕いて、それを急須に入れ、あふれんばかりのお湯をじゃばじゃばと注ぐ。日本のお茶の入れ方の繊細さとは対照的だ。だから、テーブルの上はお湯でびしゃびしゃになる。
だが、そんなこといちいちかまったことではない、というかのように次々と、小さな湯飲み茶碗に注いでいく。それならもっとでっかい湯飲み茶碗を使えばいいじゃないかと思うのだが、日本の「ぐい飲み」くらいの小さな湯飲み茶碗に、とにかくじゃぼじゃぼと湯を注いでいく。きれいで、素敵にか弱そうな中国服のお姉さんが、やることは大胆だ。
これも中国の茶の文化なのだろうと理解しながら、まじまじとそのきれいな容姿と大胆な手つきを見比べてしまった。
それにしても、と思う。中国のお茶の歴史を語りながら、古い中国の住の歴史を感じさせるつくりの部屋で、何百年前のテーブルと椅子に座り、茶器の時代の変遷やお茶の文化についての説明を聞きながら、30年前のプアール茶を飲ませられ、その効能が減肥となれば、だれだってついついそのお茶を高くても買ってしまう。
中には珊瑚でできた、とてつもなくでっかい数珠や、男性のシンボルの実物大の形をした赤珊瑚を買う気になった人までいる。これは30年、これは15年、これが10年で減肥効果はやっぱり古ければ古いほど・・なんて聞けば、ついつい「どうせなら高くても30年物を・・」なんていう気になって、自業自得の悩みを抱えた県議は、高いものから安いものから、抱えるほど買ってしまうという具合だ。
そういえば台湾でもそうだった。まず、お茶の売り物百貨店みたいな所に連れて行かれて次々といろんなお茶を試飲した。やはりお茶の出し方からだった。茶ッパをふんだんに、ガボッと入れてじゃばじゃばっとお湯を注いで、そのお湯で茶っぱが膨らみあふれ出るくらいたくさんの茶っぱを入れるのがコツで、その効能が言葉巧みな女性の口で語られ、その気になって、まず1箱2箱と買い、それが次の種類のお茶に行き、また次と、えんえん続くのだ。
気がついたときには視察の第1日目だというのに、かばんがお茶でいっぱいになっていた、という経験をしたばかりだった。それなのにまたまたやられてしまった。私だけではない。ほとんどの県議が、こらしょと抱えるほどのお茶を買ってしまっていた。
これって日本でもちゃんと、お返しをしてくれているのだろうか?台湾や中国からの観光客にしっかりと日本のお茶を売りつけてくれているんだろうね!台湾では挙句の果てには日本のリピーターの申込書が壁いっぱいべたべたと貼り付けられているのを、これ、見たことかといわんばかりに、見せてくれたが、そこまで徹底して日本も販路の拡大に努めているだろうか?
日本のお茶だって、あんなにあれに効く、これに効果あり、と、次々とその効能が発表されているのだから、きっと世界に愛されるに違いない。私たちばかりが中国で、また台湾で、こんなに買わされて、日本では中国や台湾の彼らに買わせていないとしたら、日本のお茶は負けてしまうではないか?外国にはどのくらい出しているんだろう?
お茶一つとってもこの調子で売りまくってくる。ましてや他の領域ではどんどん中国にやられてしまうのではないかと心配で心配で・・・。そんな心配は無用!日本はもっともっとしぶとく売りつけていると、茶業関係者もその他の関係者もきっと言ってくれるに違いないと信じたい。
と思って、県の茶業関係の技術者に聞いてみたら、なんと国内だけのまかないでいっぱいで、まだ足りないくらいだという。よその国に出してやる余裕などないと聞いてびっくり仰天。
私はまた、外国にどんどん出してやって、売りまくらなければなんて考えていたら違うんだそうだ。でもこれからは、好みが多様化してきているし、外国からいろんなお茶が入ってくるから、おちおちしていられない、販路の拡大に努めなければと、これからの話なのだ。皆さん「な~んだ」と思いません?心配して損しちゃったよ!
売れるような努力をしなくても、今まではしっかり日本だけで売りさばけた、足りないくらいだったというから、外国との競争なんて考えなくてもよかった、ということは、危険なことではなかろうか?要は、この業界の人たちは、常に内向きでこれたということだ。
だから、外国相手の商売なんて考えたこともなかった。つまり、これから急にそんなこと言われたって・・・とならないだろうか?売ってみたら外国人は中国茶や台湾茶に慣らされていて、グリーンティーなど入り込む余地なし、などということはないだろうか?



