「介護保険制度」 2009年3月号
今日は、介護保険制度についてお話します。
介護制度を知らないために、どうしたらいいのか、本人やご家族が悩んでいらっしゃる場合が結構あるんですね。
私もこの制度についてはよく知っているはずなのに、そして人には頼まれたり、教えてあげたりしていたはずなのに、いざ自分のうちのこととなると一向に思いつかず、友達の山崎さんというケアマネージャーのかたから、介護保険をつかったら?といわれて初めて、「あ、そうだっけ!それがあったっけ」なんて思いついた次第です。
高齢社会が進むにつれて介護を必要とする人が増えてくるのは当然ですよね。核家族化や少子化というように「家族の形」が昔の大家族の時代とは変わってきていますから、お年寄りの面倒を見る方法も変わってきています。
今お年寄りの一人住まいは、静岡県で120274世帯あるのです。高齢者のご夫婦のみの世帯が107781世帯です。あわせると高齢者だけの世帯は237000です。県全体の世帯数が146万4500世帯ですから16%強のおうちが高齢者だけで暮らしていらっしゃることになります。つまり6軒に1軒は高齢者だけのお宅ということです。
ということは、お年寄りがお年寄りの介護をしなければならない状況、いわゆる老老介護が当然になってくるわけです。それじゃ大変だからといって、家族の形を元に戻して大家族にすれば言い訳ですが、それは不可能ですね。1960年代から始まった、あのいやなことば「家付きカーつきばば抜き」の家族の形を進めてきた結果、今こうして専門家による介護サービスや、社会全体で介護サービスを支える仕組みが必要になってきたわけです。これが平成12年4月にスタートした介護制度です。この制度は40歳以上の国民が加入者となって保険料を納めて、自分が介護が必要となったときは社会全体で介護サービスの負担をすることで、一人にかかる負担を軽くするようにみんなで支えあいましょうという仕組みです。
この制度が出来たことで、安心して介護サービスを受けることが出来るようになりましたし、それまで介護というとなんとなくうちの中で困りながらやっていたことが、みんな遠慮しないで外に出すことが出来るようになりました。うちの中に他人が入ってくるのを嫌がっている人は、この制度を利用できないのですから、結構よその人がうちに出入りするのも、社会全体がなれてきた感じがしますね。
自分はまだ若いから関係ないなんて思っているあなた、おいくつですか?バリバリのご活躍されていて、そんな年寄りのことなんてどうでもいい、とお考えのあなたに限って、とんでもないことがおきることがあるんですよ。つい先日も、私の友人が久しぶりでケータイしたら入院中だというじゃありませんか!40代の、若々しいソフトボールの選手で大活躍だったひとですよ!そういうことってありなの!!?という感じでした。試合の準備中に脳溢血で倒れたそうです。
さいわい試合の準備中で、他の人たちがいっぱいいて、あれ・へんだ!早く救急車!!」という具合に周りの人がいてきがついてくれたからこそ、この程度で助かったといってました。それでも右の手足の麻痺は3ヶ月たった今だの取れず、これからリハビリだそうです。どのくらい回復できるのか、とっても心配ですが、こんなふうに、あなたの身にもいつ、何が起こるかわからないのです。気をつけることしかないのですが、でも困ったときはお互い様です。この介護保険制度を利用できるのは40歳以上の、介護保険料を払っている人たちだけです。それも介護が必要と認定された人たちに限られます。
それでは介護サービスを受けるための手続きはどうしたらいいのでしょうか?
さいしょにまず、65歳以上の方ならば、必要な介護の度合いというのでしょうか、レベルを見てもらうことから始まります。全部で7段階に分かれています。このうちのどの程度の介護が必要なのかを市役所、または町役場の窓口で申し込んで調べてもらいます。これを認定調査といいます。この認定調査の結果に応じて必要と思われる介護が受けられるわけです。この場合はケアマネージャー、覚えておいてくださいね、一般的には「ケアマネ」といわれていますが、この介護支援専門員に介護の利用計画(ケアプランといいますが)これをを立ててもらって、それを元に給付限度額を検討しながら必要な介護サービスを選んでいくということになります。
介護まで行かなくて「要支援」つまり、支援、手助けですね、これが必要な人は地域包括支援センターで計画を創ってもらうことになります。
ここで問題なのが、認定調査です。うちの人は「おじいちゃん、あれも出来ないし、これも手助けが必要だし・・」ということで認定調査をお願いするわけですが、その調査の日に限って、おじいちゃんおばあちゃんたちガンバっちゃうわけですよ。
ですからたとえば、本当は介護度2くらいもらえるはずの日常生活なのに、調査の日、つまり、おじいちゃんおばあちゃんにとっては、よそ様のどなたかが来て「これできる?」「あれはどうですか?」なんていわれれば、テストみたいなものですから、「わしゃこのくらいは出来るよ!」と、普通では出せない力を出してしまうわけです。かけないはずのことも、このときばかりはえらい勢いでがんばっちゃって、書けたりしちゃうわけですよ。うちの人が期待していたような調査結果はもらえないわけですね。ということは、やっていただける介護サービスも少なくなってしまうし、利用限度額も少なくなってしまうわけです。
また最悪の場合は「非該当」、つまり該当しない、自立できると判断されて介護サービスは受けられないという結果もありうるのです。うちの人が「こんなはずじゃないのに!何でこんなときばっかりできちゃうのよ!!」と困ってしまうということは、多々あるようです。普通テストって出来たほうが喜ばれるのに、介護度の認定調査って逆なんですよ。出来れば出来るほど、この日だうちの人が困ってしまうといった、妙なテストなのです。
昨日も私の友人がこぼしていました。「なんで調査の日ばっかりがんばるのよ!今度こそと思ったのに、また出来ちゃって、介護度がなにも上がらなくて困っちゃう!本当はぜんぜん出来ないのに」ということになります。
さてそれでは静岡県では「要介護」介護が必要だと認定された人は何人いるのでしょうか。平成17年度で10万6000人です。静岡県に人口の14%にあたります。
これは全国平均に比べますと2.4ポイント低くなっていますが、年々1万人位づつ多くなってきています。また要介護という認定を受けた人の中で、実際介護サービスを受けている人は82.3%です。こちらのほうは全国平均を2.5ポイント上回っています。つまり要介護の人は全国より下回っていますが、いったん要介護となればどんどん介護サービスの給付を受けるといった傾向が見られます。
ただ介護サービスを受ける場所はどこがいいかと言えばやはり、自分の家にいるままで、と希望する人が52%と、半分以上の人が在宅介護の意向を示しています。
ということは、いよいよ老老介護や、一人暮らしの世帯への対応が求められる時代だということです。
お互いにかばいあいながら、やれるだけは自分たちでがんばってみて、出来ないことは介護サービスで助けてもらって、また一人暮らしのお宅に対しては、ご近所で気配り、目配り、心配りをしていただいて、「明日はわが身」ですから、だれでもがたどる道であれば、やれるだけのことをご近所どうしでやってあげて、それがいつか、自分が困ったときには誰かが助けてくれるから・・という生きることの営みのくりかえしを、丁寧に明るく、元気に続けていくしかないのだと、つくづく思うこのごろです。
そこで、「困ったときはお互い様」を合言葉に、「一人暮らしのかたもご安心を!!」という活動をしている地域互助団体「未来クリエート21」をご紹介する時間を創りたいと考えています。では今日もお元気で!!

